あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「………ひどい女でしょ、私。」

「"好き"って気持ちに、ひどいもなにもないでしょ。」


話してくれてありがとね、と芳樹くんは

私のことを落ち着かせるみたいに、頭に触れた。


「芽依ちゃん、映画見に行こっか。」

「えっ…?」

「映画見て、ポッコーン半分こして、お昼はオムライス食べて、ケーキ買ってイルミネーションみよ。」