あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「め、芽依ちゃん……?」

「な、何?」

「き、気づいてない?涙…。」


芳樹くんに言われて、自分の頬が濡れていることに気がついた。


「あ、ごめんっ…。なんでも、ないから…。」

「……俺には、話せない?」


驚いていて顔を上げると

芳樹くんの顔がほんの10cmくらいのところにあった。