あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「わーっ、すごい、なんかお城みたい。」

「結婚式場だからね笑」

「いいなー、なんか。結婚式なんか初めてだから、なんか緊張する。」


南美ちゃんはそう言って

ふふ、と笑った。


「ひなさんたち控え室だよね?」

「うん。多分蓮も一緒にいるはずだから。」


小走りで中に入ろうとする南美ちゃんの後ろ姿を見ながら

私もいつかこーゆーところで結婚するのかな、そんなことを考えていた。