あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「そんな顔しないで、これで機嫌直して?」


私は帰り際に買ったプリンを南美ちゃんに渡した。


「わっ、それ私が食べたいって言ってたやつー!」

「たまたまお店の前通ったから買って帰ってきたの。」

「もー、芽依ずるいー。」


そんなことを言いながらも

南美ちゃんはさっきまでの怒っていた顔から一変して嬉しそうにそれを受けとった。