あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「…百合の言った通りね。これからも、芳樹のことよろしくお願いします。」

「え、あ、あのっ、こ、こちらこそ、よろしくお願いします。」


頭を下げるお母さんを見て

私も慌てて頭を下げた。


「結婚式は、私の骨折が治ってからにしてね。」

「け、結婚なんて…。私で、いいんですか?」

「きっとあなたしかいないわ。」