あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「そう…、しっかりしているのね…。」


一瞬、病室の中が沈黙に包まれて

どうしよう、と私は話題を探した。


「あの…、芳樹のことは、その、どこまで…。」

「あ、えっと、多分、全部…。」

「じゃあ、百合と芳樹のことも知っているのね…。」

「は、はい。」


そう、と呟いたお母さんは

安心したような顔をしていた。