あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「は、初めまして、高野芽依と言います。」

「初めまして…、百合から話は聞いてます…。」

「あ、あのこれ、どうぞ…。」


どら焼きを差し出すと

お母さんは中身を確認して、ありがとう、と笑った。


「よ、芳樹くんにはいつもお世話になってます。」

「こちらこそ…。芳樹は、昔から少し繊細なところがあるから…。距離の測り方が難しいでしょう…。」

「い、いえ、そんなことないです。」