あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

怜はずるい。

すぐにこうやって、私の心を揺さぶってくる。


普段はクールな顔してるのに

本当は寂しがり屋で甘えっぽくて、

簡単に私を引き寄せて

私が怜の手を離せないのも知ってる。


「……キスしたら、風邪うつっちゃうかな。」

「そしたらまた俺にうつせばいいじゃん。」


怜は、次の言葉を発する前に私の唇を塞いだ。