あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「んっ…あっつ…。」

「…怜、起きた?」


私が声をかけると、それまで眠っていた怜がゆっくり私の方を向いた。


「お水、飲む?」

「あぁ、さんきゅ…。」

「汗かいてるでしょ、タオル持ってくる。」


冷たい水で絞ったタオルを手渡すと

何から何まで悪いな、と怜は苦笑した。