あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「あっ、ねぇそーいえばさっ。」

「んー?なに、南美。」

「千夏んち行くのって何気に初めてだよね。」

「あー、たしかに。実家だよね?」

「実家実家。あ、でも、両親夜遅くまで帰ってこないから笑」


気にしなくていーよ、と笑った千夏ちゃんの顔が

ほんの一瞬寂しそうに見えて

私は何も言えなかった。