「………よかった。間に合って。」


自分の好きな人が、好きだって気づいた人が

また誰かのものになってしまうなんて

もう嫌だったから。

自分の好きな人の隣に

他の誰かが先に並ぶのはもう嫌だったから。

ちゃんと伝えられてよかった

そんなことを思いながら、私はしばらく薄暗い部屋の中にひとりでいた。