あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

どうかした?と私がきくと

芳樹くんは私から目をそらした。


「…今日、いつも以上に可愛いかっこしてるから。」

「そ、そう?変じゃない?」

「大丈夫、似合ってるよ。でも…、」


そんなに気合い入れられたらちょっと妬くなー、と

芳樹くんは私にしか聞こえない声で言った。