あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「なかなか帰ってこないから…、ちょっと心配した。」

「心配しすぎ。…でも、ありがと。」


芳樹くんのおかげで

ちゃんと自分の中でけじめがつけられた。

前に進むことができた。


「芽依ちゃん。」

「んー?」

「アイスでも食べよっか、寒いけど。」


温かい部屋で食べるアイスは格別でしょ、と芳樹くんは笑った。