あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

反応する暇もなく、私は芳樹くんに腕を引かれて

そのまま真っ暗な夜道を走った。


「ちょ、芳樹くんっ…!?」

「…彼、なんでしょ、芽依ちゃんの好きな人。」

「えっ、なんでっ…。」


なんでわかったの、私が言うと

芳樹くんは走っていた足をとめた。