あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

元々バイトの先輩でね、それから付き合い始めたんだ。なんて

嬉しそうに千夏は彼氏のことを私たちに紹介してくれた。


「芽依は1回くらい会ったことあるっけ?私がまだバイトしてたとき。」

「あ、うん。顔はみたことあるかも。」


私が言うと、突然芳樹くんが私の腕を引っ張った。


「ごめん南美ちゃん、俺と芽依ちゃんちょっと温かい飲みもん買ってくる。」

「あ、うん。」

「行こ、芽依ちゃん。」