あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「そういえば夜ごはん、先輩何食べたいっすか?」

「え、えっとねー、オムライス!」


助手席に座った先輩は、前を向いたままそう言った。


「あ、じゃあスーパー寄ってもいいですか?」

「な、なんでスーパー?」

「え、オムライスくらいなら俺作ろうと思ったんすけど…。」


だめだったですか?と俺が言うと

先輩は大きく首を横に振った。