あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

イルミネーションならまだ当分はやってるだろうし、と俺が言うと

うん、と小さく先輩が頷いたのがわかった。


パーキングまでの帰り道は

今日の朝も通ったはずなのに、全く違う道のような気がした。

今日1日ずっと隣にいたはずなのに

握った先輩の手から緊張が伝わってきて、自分の心臓の音も

先輩に伝わってしまっているんじゃないかと少し焦った。