あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「………じゃあこのまま、本物になる?」

「えっ……?」


前を向いていた先輩が振り返って、視線がぶつかった。


「……俺、先輩のこと好きっすよ。」

「そ、それは…。」

「先輩としてじゃなくて、もちろん女として。…好きじゃなかったら、今こんなとこに一緒にいないっすよ。」