あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「ほんとにありがとうね。プレゼントしてもらうつもりじゃなかったのに…。」

「いーんですよ、俺がプレゼントするつもりだったんですから。」


イルミネーションまでの道を歩いている時も

先輩はずっと自分の足元をみてはにやにやしていた。


「うわ、カップル多いねー…。」

「そりゃあまあ、クリスマスですからね。」


俺が苦笑いすると、ほんの一瞬隣にいた先輩の顔が曇ったような気がして

ほんの数センチのところにある先輩手を握った。