あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

いただきまーす、と食べようとして

はっと思い出したかのように先輩はスマホをとり出した。


「せっかくだから、写真撮っとこー。」


ぱしゃ、と写真を撮って満足げにしてから

先輩は美味しそうに食べ始めた。


「食べ終わったら、お買い物もつきあってねー。」

「はいはい。今日は気が済むまで付き合いますよ。」


そんなに腹が減っていたわけでもないのに

この時はいつもより飯が美味しく感じた。


《蓮side end》