あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「あー、また俺じゃないやつのこと考えてたでしょ。」

「えっ?」

「目の前にいるのは俺なんだから、そんな寂しそうな顔しないでよ。」

「そ、そんな顔してないしっ。」


考えていたことを見透かされていたみたいで

私は慌てて芳樹くんから目をそらした。