あっちじゃなくて、俺のほう向いて。

「ケーキ、先2人で食べちゃおうか。」

「えっ、でもホールケーキだよ?」

「気にしない気にしない。どーせ2人共夜まで帰ってこないだろうし。」


今日は2人でゆっくりしてよっか。

芳樹くんのその言葉に、私は少し救われたような気がした。


「…今日、クリスマスだもんね。」


お兄ちゃんの好きな人が誰で、どんな人なのかは知らないけど

女の子ならクリスマスを好きな人とは一緒に過ごしたいって思うのは

当たり前だよね。