1時間ぐらい、飲んだだろうか。

お父さんとおじいちゃんは、酔いつぶれて寝てしまった。


「では僕は、この辺で。」

そう言った門馬雪人は、立ち上がるとフラッとした。

「危ない!」

私が支えると、門馬雪人は顔が赤くなっていた。

「えっ……」

そんなに飲んだの?

初めて見た。

そんなに飲んだ姿。


「お母さん、私。雪人さん送って来るね。」

「ええ、行ってらっしゃい。」

なんとか門馬雪人を抱えて、外に行き、タクシーに二人で乗った。


「まったく。そんなに飲んで。いつものクールさは、どこに行ったのよ。」

「うるさい。いいだろ、楽しかったんだから。」

楽しかった……

そう言って貰えると、私も嬉しくなる。