情熱的に愛して

化粧を直して、秋香と一緒に会社を出た。

「ここで待ち合わせなんだよね。」

うちの会社の目の前には、大きな植木がある。

そこが結構、待ち合わせ場所になっている。


「ねえ、今日の人はどんな繋がり?」

「そうだなぁ。廊下で声を掛けられたって言うか。」

秋香は、クスッと笑った。

「それって……ナンパ?」

「やだ、そんな古臭い言い方しないでよ!」

私は、秋香に背中を叩かれた。


えっ?

ナンパじゃなかったら、何て言うの?


「あ、来た来た!」

秋香が思いっきり、手を挙げる。

相手も秋香に手を振っている。

でも、相手は一人だ。

えっ?

これって、本当に合コン?

ただ単に、秋香と飲みたかっただけなんじゃない?