頭の中は、不安でいっぱい。

不安以外に何もないかのように。


やだな、よりによって琴乃なんて…
神様は私に意地悪だよね…


「ねえっ名前、なんて読むの?」

『えっ…!?』


いきなり聞こえた声に、心臓が飛び出そうになった。


「名前、なんて読むの?ツバキサ…?」

『…ブッ』

「えっ!違う?…違うよね…ツバキサはないよね。ははっ」


笑顔が少しだけ、加奈に似てる気がした。

優しく、温かく笑うこの少女に、私は心を動かされることになる…