キミに嘘を吐く日

お土産売り場にも人はたくさんいた。

人に揉まれながら、あれでもないこれでもないと誰かのためにお土産を選ぶことが、こんなに楽しいって気持ち忘れていたよ。

宇野くんと2人で話し合って、水族館らしいイルカや色々な魚やペンギンが描かれた缶に入ったクッキーを宇野くんのおじいさん達に買うことに決めた。

そのあとはお互いの買い物をするべく店内を見て回った。

私は宇野くんが撮ってくれた、宇野くんとスナメリと一緒に写った写真をスマホに送ってもらったから、それをプリントアウトして飾れる写真立てを買った。

写真立ての両脇にスナメリの飾りが付いているのも可愛くて気に入った。


「いろは、ちょっと来て」


先に買い物を済ませて店の前で待っていてくれた宇野くんに促されて、フロアの窓際に並べられている椅子に座る。

窓からは海も見えた。

今日は天気がいいから、水面がキラキラ光ってすごく綺麗。


「はい、どーぞ」


目の前に差し出されたお土産売り場の袋。


「?」

「開けてみて」


言われるままその袋の封を開けた。

手のひらに落ちて来たのはスマホ用のストラップ。

スナメリの飾りが付いた青いレザーのもの。


「今日の記念」


そう言って自分のスマホを目の前にかざした宇野くん。

そのスマホには色違いで赤いレザーのストラップが付いていた。

これって……。


「おそろい?」

「そ。ほら、いろはも付けな」

「う、うん」