そして私達二人は車に詰め込まれた。
目的地は遊園地。

遊園地の前に着き、私と孤廻は車から降りる。
学園都市にある、巨大な遊園地。
そこには日々新開発される、沢山のアトラクションなどがあった。

「孤廻様、ファイトです!」
「依恋様、頑張ってくださいませ」
窓を開け、顔を押し出す様にして来る二人。
だが、まだ何か言いたそうな二人を無視する様に車は走り去ってしまう。
私達はそれを苦笑いで見送る。

「・・・これからどうしよっか」
孤廻は困った様に肩をすくめた。
「楽しも」
私は孤廻の腕を引っ張る。
「どうせなら楽しい方が良いじゃん、デート」
「それもそうだな」
孤廻は優しく笑った。

「うっし。じゃあ、まずはー」
入場券を買い、孤廻は辺りを見回す。
「ジェットコースターにしよう」
「え?」
私はジェットコースターに並ぶ人の列を指差した。
「めっちゃ並んでるよ?違うのにしない?」
「じゃあ・・・、お化け屋敷?」
「えー?」
私はお化けが大の苦手だ。
「怖いって、絶対」
私は孤廻の腕にしがみつく。
「大丈夫だって。・・・ダメ?」
上目遣いやめて。
可愛過ぎる。
「あー。良いよ」
少しやけくそ気味に私は返事をする。
幸いなのか、本当に混んでいなくて、5分も掛からずお化け屋敷に入る事が出来た。

中は薄暗く、不気味だった。
変なラップ音も鳴っている。
今更後悔が押し寄せてくる。
やっぱり入るんじゃなかった。
何故か背後に気配がするが、それは気のせいだろうか。
怖い。
何がいるんだろうか。
自分を安心させる為にそっと背後を向く。
「・・・っ!」
私の後ろには・・・。
私の背後には血塗れの女がジーと私を見ていた。
「依恋、早く来いよ」
先に進んでいた孤廻が戻って来た。
やばい。
足がすくんで動けない・・・。
その事を悟ったのか、孤廻はため息を吐く。
「たく、しょうがねえな」
私に腕を差し出す孤廻。
「掴んでてよ」
その時、彼の表情は暗くて見えなかったが、彼がどんな表情をしていたのか、少し気になった。
「・・・ありがと」
私は目に浮かんだ涙を拭い、孤廻の左腕に自分の腕を絡ませる。
「ゆっくり歩くから、目、瞑ってたら?」
ああ。
孤廻のその言葉が胸に響く。
そして、ときめく。