★姫莉side★

「俺達、付き合う事になった。」
「・・・は?」

うちらが温室に着いた時、みんなは色取り取りの花をいじっとった。
「ねえ、聞いて欲しい事があるんやけど。みんなに」
うちはそう切り出す。

「なあに?」
麗王がうちに問う。
やけど、視線はこっちを向かへん。
それは麗王だけで無く、みんなが。
1人1人、花に夢中になっとる。
でも、話は聞いてくれているみたいや。

「じつはさ、あの・・・。うちら・・・」
うちが中々言い出せないでいると、叶夜がうちの手に指を絡ませて来た。
「俺達、付き合う事になった」
そう言って、叶夜はうちの方を見る。
目が合うと叶夜はふわりと柔らかく笑った。
ヤバイ。
それは反則や。
顔が赤くなるのを感じる。

それを見て、叶夜はうちの頭に手を乗せ、うちの顔を下から見上げる様にする。
そして
「赤すぎ」
と、悪戯っ子の様な顔をした。
ああ。
ズルイわ。
でも、幸せ。

「・・・は?」
でも、宙が眉間にしわを寄せた。
「付き合う?いきなりどうしたんだよ」
「別に」
宙の問いに叶夜は、素っ気なく答えた。
「う、うちが、ずっと好きやったの!それを依恋と希にいったら、応援してくれて・・・」
うちは握り締められた手を、強く握り返し、叶夜の目を見る。

「叶夜、ずっとずっと大好きやお!」
「はは。そっか。」
叶夜は笑った。
凄く愉快そうに。