「頭を上げろ。周りの視線が痛い。」

「で、でも!!」

私がそういいかけると彼はそれを遮って

「俺が提案したんだから気にすんなって。」

といってくしゃっと笑い、私の頭をぽんぽんと二回軽くたたいた。


ドキッ。
なんだこの感じ…。

なんだかすごく心がすごくあったかい。


「あ、ありがとう。」

「じゃ、腹減ったから飯でも行くか?」

といって私の手をとって歩き始めた。


篠山君に対する気持ちの変化に私はこの時はまだ気づいてなかった。