「そ、そうなんだ…。 お、お金持ちなんだ…」 そらそうだ… イケメンで仕事できるし、性格も悪くない… 「でも、俺は、跡継ぎ候補じゃねーし。 俺は自由にさせてもらってるんだよ。 これも涼介さんや悠介さんのおかげ。」 そういって少し懐かしそうに振り返る篠山君に私は頭を下げることにする。 「こんなにすごい方だと思わず、私の私情で偽の恋人になってもらうなんて申し訳ない。」