真昼のブルームーン

今すぐにでも走り出したい衝動と、胸を締め付ける様な焦り。
今まで感じた事の無い気持ち。
私は人気の無い廊下を目指して走った。
息を切らせて窓を開け放つ。
青い月がいつもより少し高い位置にある。
月を見て、さっきまでの衝動は少し治った。
窓から身を乗り出し、深呼吸をする。
心は、何事も無かったように凪いだ。

彼の噂は遂に他学年にも広がった。

「朝日先輩に会長やって欲しい!」

「絶対楽しくなるって!」

選挙当日が近づくにつれてそんな声が広がる。
事実、彼は選挙への努力を怠らないし、人柄も生徒会長向きだ。
だけど、それを目の当たりにする度に彼が私を生徒会に誘う理由が分からなくなる。
人望、人柄、学力全てにおいて優秀な彼。
生徒会に誘う人材は、探せばもっと適任がいるように思えてならない。
なぜ私なのか、他の人ではダメなのか。
自信の無さが私を生徒会から遠ざける。