真昼のブルームーン

突然の言葉に思考が停止する。

「転校して来たばっかなのに?意味わかんないね」

「でも実際さ、そうやって必死になってる朝日君かっこいいよね」

「本気で言ってんの?」

「わかんないけど、なんか私も必死になりたくなった」

「…まあ、わかんないでも無いけど、顔はかっこいいよね」

朝日陽は、やはり意味が分からない。
でも、彼の行動で心が動いた人が、まず1人いた。
その事に、不覚にも少し嬉しくなってしまった。
そっと席を立ち階段を上る。

(別に、噂が本当か確かめる為とかじゃ…)

自分に見苦しい言い訳をして1年生の階の廊下を覗き込む。
案の定、教室前で1年生女子達と話す朝日陽が見える。
会話は聞こえないが、1年生達は笑顔。
彼の行動は、いつも周りの注目を集め、笑顔にする。
その事実を実際に目の当たりにして、胸の奥が苦しくなる。
居ても立っても居られない衝動に駆られ、急いでその場を後にする。