真昼のブルームーン


「やらないよ」

彼は呆気にとられ、すぐに悪戯っ子の様な笑みを浮かべる。

「私は、陽に勝ちたいから」

ああ、と理解する。
私はやっぱり彼が好きなんだ。
あの日の胸の高鳴りが蘇る。

「生徒会長は私だよ」

静かに、言葉を紡ぐ。

「俺は、美月と生徒会がしたい」

あの日と同じ様に彼は言う。

「もう、あの日の私じゃないから」

言ってから彼の瞳を見返す。
私の言葉に迷いが無い証明。
目を逸らし、もう振り返らない決意を固める。

「陽に勝ちたい。だから君と生徒会は出来ない」

私の言葉に彼はさらに楽しそうに笑う。

「その言葉、俺がくつがえしてやるから」

まだ彼の声が耳を離れない。
きっと彼も私の事が好きだ。
それでも口にしない。
彼の全力と私の全力。
それを同じ舞台で何を顧みる事なくぶつけられるのは今だけだから。

「こっちこそ」

新たな勝負の幕が開ける。
これが彼と私の恋の形。
彼と全力で勝負する。
それが私を変えてくれた彼への全力の仕返しだ。