真昼のブルームーン

そうして彼は生徒会長になった。
演説の後、勝利の笑みを浮かべた彼は憎らしかった。
そして事実、私は完全に彼に負け副会長をしている。
彼の奇行はどれも、退屈だった私の日々に新しい風を吹かしてくれる。
次は何をしてくれるのだろう。
そう思ったのも束の間。
彼は前期生徒会長の任を終えると、どこかに転校して行った。
何の前触れも無く。
いつもの様に、突然に。
彼の残して行ったものは、楽しかった出来事ばかり。
私は一晩泣いて、涙を拭った。

私の中の“焦り”を見抜いたのは、彼の中にも同じものがあったからだろう。
きっとこれが、私の初恋だったのかもしれない。
彼の噂をする子に聞き耳が立ったのも。
1年生女子と話す彼に心がざわついたのも。
突然いなくなった彼にこんなにも寂しさを感じるのも。
泣いてる様では、捕まらない。
彼が本当に好きなのは、もっと楽しい事だから。
私が次彼に会う時は、隣じゃなくて正面だ。
今したい事が、しっかりと見えた気がした。

「次会う時は、私が勝つ」