「なんか、機嫌悪い?」

「悪くないです」

そう言う私はプリプリ怒っている。

ツンとした態度でそっぽを向いたまま、絶対に目を合わせるものかと意気込んでいる。

「仕事中の安住さんは完璧で隙がない。酔っ払った安住さんは小動物みたいで新鮮だった」

「今は仕事中です。仕事の話をしてください」

「じゃあ、今夜飲みに行こう」

「どうしてそうなるんですか?」

「仕事が終わったら話してもいいってことでしょう?」

「私は行きません」

「いや、必ず来てもらう」

「だから、なんで…」

「安住さんのこと、気に入ったから。さぁ、仕事しようか」

気に入ったって、なに言ってるの!?

「さ、西条先生!?」

「今は仕事中。仕事の話をしてください」

「うっ!」

西条先生は仕事に集中している。