私の失恋の行き着く先は…No.3



そんな俺のことを知ってか知らずか、周りはお節介を焼いてくる。

35歳の独身男を放っておくつもりはないようだ。

俺の所属する弁護士事務所の所長しかり、専務しかり。

確か所長と専務は大学の先輩後輩。

裏で密談があったのだろうと容易に想像出来た。

「所長の差し金ですか?」

思わずジト目で専務を見た。

これくらいの文句は言ってもいいだろう。

「はて、なんのことでしょう?」

白々しくとぼけた専務と奥様は手を振りながら去って行った。

二人の後ろ姿は実に楽しそうだ。

大きく溜め息をついて天井を仰ぎ見て、それから彼女に視線を向けた。

彼女はスースーと寝息を立てている。

さすがに放っておくことは出来ない。