〜香月side〜




俺の胸で安らかに眠っている姉ちゃんを見てから俺は上を見上げた。



香「…美月を階段から落としたやつ…だれだ」



ーシーンっー



香「……でてこい。…今なら気絶で済む」



ほんとはぶん殴って、殴って殴って、ぶっ殺してやりてぇ。



香「…」



上にいた奴はやばいと思ったのかゾロゾロと逃げ出した。…そして、階段の上にいるのはポツンと立ち尽くす修也と、いつの間に来たのか、奥にいる陸だけだった。




香「…修也。てめぇ…美月が落ちる瞬間、見てただろ…」



修「ーっ」



香「お前なら手を伸ばせば助けられたっ。…なのになんで!!!…お前は手を伸ばそうとしなかった!!!」



陸「落ち着け香月」



香「陸は黙ってろ!!!!」



ービリッー


自分の殺気が飛び交うのがわかる。




香「……俺は、美月1人守れねぇやつの下につく気はねぇ!!!」



陸「おい、香月っ…」



香「…俺は……っ…。…お前を月龍の総長だとは認めねぇ!!!…」



陸「それは抜けるってことじゃねぇ…よな…」



香「ははっ。それもいいかもな。…」



陸「なんでだよ!!そんな女1人に!!」



香「2人にとってはそうなのかもしれねぇな…。けど。俺にとってはたった1人の…大切な…」



姉ちゃんなんだよ…。…だから…



香「俺は、月龍を抜けたっていい」



俺はそれだけ言い残して、美月を抱えて保健室まで向かった。