美「な…んで」



香「姉ちゃん、俺さ考えてみたんだ」



近い私にしか聞こえない声で言った。…香月だって階段から、しかも私を抱きしめて落ちたから痛いはずなのに…っ。



香「姉ちゃんが月龍を裏切って…。俺はどうしたらいいがわからなかった。……姉ちゃんは舞月で、俺は月龍の人間。だから離れないといけないって……それは俺にもわかる。」



香月…



香「家を出たのだって…。……父さんが帰れば姉ちゃんがそっちに帰ることはわかってた。…だけどまた…4人で暮らせるんじゃないかって…思ってたんだ。だから、悲しかった」



香月は私を、強く抱きしめた。



香「…でもさ、わかったんだよ。……俺、月龍が裏切られたって、家を出てったって…姉ちゃんは俺が一番大切な姉ちゃんだってことに。…姉ちゃんは俺を裏切らないって言ったんだ。だから信じるよ…。…俺も、姉ちゃんの弟だから。…双子として、姉ちゃんを守るから」



美「…頼もしく…なった…ね」



私は香月に抱きしめられて安心したのか、それとも熱が上がったせいなのかわからなかったけど、そこで意識を手放した。