修「という事があったんだ。…」



陸「勝も黒炎だったんだな…」



勝「うん。…脅されてたんだ…」



そうだ。…あれは忘れることはない。……無残に倒れ込む人々。血の海。ぴちゃぴちゃと歩く度血の溜りが音を出す。

ああ……あの時あった男の子は修也だったんだ。…今とは全然違うから気づかなくてもおかしくないよ。

あの時の修也は瞳に何も映さなくて、つまんない日々だったんだろう。…非道な組織の黒炎で幹部しているくらいだから、ある程度のことはしていたんだろう。

だけど、今じゃこんなに修也の周りに人がいる。




修「…そうだ……」



修也は気づいたように言った。




修「友達じゃない。…仲間を…って…フルムーンは言っていた。……美月…こいつらは友達以上の…仲間だ。……俺は、こいつらといれば最強なんだ!!怖いもんなんてねぇ!!」



そう。それが修也の答えなんだね。



修「なんでこんな大切なことを忘れていたんだっ。……俺が守りたいと思う人、それは仲間だ。俺は……こいつらを…月龍を守るために戦う」



芯がある瞳。……やっと……心の中じゃ平和を求めていた修也が、なにかを望み戦う。



私は、別にトップを狙ってほしいとか…競い合ってほしいとか思っているわけじゃない。…ただ…弱いやつを近くで見ているのが嫌なだけ。


そう、それだけ。