沙「…ご、ごめんね修也君…」



修「いえ」



沙「……颯(ハヤテ)…昔は優しかったの…」



沙耶さんは殴られたと見られるところを擦りながらそういった。



沙「…うぅ…どうしよう修也君……颯が帰ってくる度…怖くて…」



沙耶さんが泣き出した。こんなことは1度や2度じゃない。…何も悪くない沙耶さんが殴られるのはあまり気持ちのいいことじゃない。

だから俺はよく、不破さんが沙耶さんを殴っている時に総長室へ言った。

不破さんは疑うどころか、問題を誰よりもはなく気づき、報告してくる俺を信用仕切っていた。



修「…逃げますか…」



沙「え…?」



修「ここからでて、隠れて。…不破さんに忘れられるまで…」



沙「でもそしたら…修也君が…っ」



修「俺は今、不破さんに1番気に入られています。疑われることはないでしょう」



沙「……逃げても…私どうしたらいいか…」



修「警察に行くんです」



沙「そしたら黒炎が!」



修「そこは伏せておいてください。…彼氏に暴力されていた。それだけでいいんです」



沙「…うん」



修「今日の夜中、窓の外から出られるようにしておきます。不破さんが帰ってから逃げてください。下っ端達が下にいるので音はできる限り出さないように」



沙「うん。………ありがとう…修也君…っ」



親のいないことをいいことに、沙耶さんをここに監禁している不破さん。


これがのちに大事件への鍵となるなんて俺は思っていなかった。