美「…ん…」



愛「お。起きたかっ」



美「…愛斗さん…」



愛「もう夕方だ。…よく眠ってたよ」



きっと、愛斗さんと香月がいるこの部屋に安心したんだろう。……よく眠れた。



愛「送ってくから準備しとけ」



美「あれっ?なんでかばん…」



愛「総に頼んどいた。香月の分も」



あ、そういえば香月は?……って、寝てる…。判子を持ったまま器用に座って寝ていた。



美「香月ー!帰るよ」


香「んあ?…姉ちゃん…。ふわぁぁあ…ってここどこだ?」


愛「寝ぼえてんじゃねぇ、理事長室だ!」


香「あ!そうだ!」



愛「帰るぞ」


外はまだ雨が降っているし、甘えて送ってもらおう。






愛斗さんの車の中。


香「姉ちゃん、風邪ひいてるなら家の方がいいんじゃねぇか?…それに……いや、なんでもねぇ」


香月が言いたいことはなんとなく想像できるよ。



美「ううん。一応、気を張っておこうと思うから」



香「そっか。わかった」



愛斗さんの車は香月の家についた。



香「また明日な」


美「うん」