「もしもし?有紗ちゃん?」

『奏子から電話なんてめずらしー!どうした?なにかあった?』

「うん、あのね…」

同期で親友でもある有紗ちゃんに、先ほどの出来事を話した。

『アイツ、絶対に許さない!ムカつく!あんないい加減なヤツは、そのうち痛い目に遭うから!間違いなく!』

「有紗ちゃん、落ち着いて?」

『これが落ち着いていられる!?私の大事な奏子になんてことしてくれたんだっ!』

「有紗ちゃん、ありがとう」

別れ話をされても涙ひとつ出なかったのに、どういうわけか今、私はボロボロ泣いている。