私が可愛くないことくらい、よーくわかってる。

それに、仙道くんの雰囲気が絶対変だ。

こんな色気たっぷりで甘い感じの仙道くんは今まで一度も見たことない。

やっぱり幻聴と幻覚に違いない。

「じゃあ、事実ってわからせてやる」

「えっ、仙道くん!?」

テキパキと会計を済ませ、私の手を繋いで歩き進めている。

でも、決して早歩きではなく、私の歩幅に合わせてくれている。

「寒くないか?」

「大丈夫…。どこ行くの?」

「俺の部屋」

「えっ!?俺の部屋っていうお店…じゃないよね」

「どこだよ、それ」

仙道くんは楽しそうに笑っている。

いや、私、全然笑えないんですけど。

さっきから心臓ドキドキしっぱなしなんですけど。