「佐藤くん…ねえ、佐藤くっ」 佐藤くんの身体を揺さぶる手を掴まれた。 あまりに唐突すぎて、言葉を失う。 「起きてんじゃん」、「なんで掴むの」、 そんないろんなことを考えすぎて。 「起きてるなら授業をまともに受けて?」 そう小声で呟き、黒板の方を向こうとするけど、 掴まれた腕は離されそうにない。 「佐藤く…」 もう一度佐藤くんの方を見ると、完全に夢の中だった。