「おい、佐藤ー、また遅刻か」 隣の席は空いていることが多くて、 遅刻ギリギリで入ってくることは稀だ。 「あー、すんませーん」 抑揚のない声で、謝る気がないことがわかった。 進学校なのに髪色は明るい緑。 制服もこれほど着崩している人はいない。 出来れば近づきたくないような、そんなオーラの持ち主。