テーブルにたこ焼きのプレートを置いて、生地にタコなども準備して温め始めて、作り出す。


たこ焼きの時は俺が作る。
それが昔から続く俺と佳苗のルールのような、そこまで言わないが決まっている感じだ。
焼きながら顔を伺うと、ニコニコとしている。
少し食べてから話をしようと、作る方に専念した。


ある程度焼いたところで、一緒に食べる。
これも昔から変わらない。
懐かしくも暖かく、楽しい思い出の一つだ。
食べてもいいと言っても、一緒に食べたいからと返事を返す佳苗は本当に愛しくて仕方ない。


「佳苗、聞きたいことがある」


焼いた物を食べきった時、俺は今日の本題を突っ込んだ。


「なんです?」


キョトンとする佳苗に、俺は問いかけた。


「梅乃さんやさつきさんも中嶋先生も気にしていた。一週間前よく沈んでいただろ? 俺も気づかないうちに、離れた間か、それか俺と居た頃に、なにかあったんだろう?」


そう聞くと、佳苗は顔をこわばらせた。
そのあと佳苗はハッとして、すぐ笑顔を浮かべて俺に返事をする。


「別になにも無いわ。少し気分が落ち込んでただけよ。ほら、女性にはそういう時期もあるでしょ?」


そう言ってきた。
誤魔化されたのは、分かっている。
しかし、ここをクリアにしないと俺と佳苗は先に進めないと感じていた。
俺の感覚的な部分がそう告げていた。