「佳苗ちゃんも見えたの? 分かったの?」


私と同じ様にモニターを眺めてても分からないのだろう、美希ちゃんが聞いてきたので私は画面を指さして教えてあげることにした。


「ほら、ここが足と足の間で、丸い玉二つ見えるでしょ? これ大事な所!女の子ならここに一本線な感じになるから、これは先生が言うように9割男の子だね」

そんな私の回答に、美希ちゃんは嬉しそうにしている。

「男の子か! 楽しみだなぁ。実くんみたいに、可愛くなると良いんだけど」


とても嬉しそうなその様子に、こちらも自然と笑が零れる。


「楽しみだね! 私も、元気な美希ちゃんの子取り上げられる日が楽しみだよ」
「うん、そこは先生と佳苗ちゃんに助けを借りて頑張るわ!」


そうして、無事問題もなく美希ちゃんは妊婦検診を終えて帰って行った。


今日はその後はゆったりとしたもので、持病の患者さんの来院や風邪の子の来院等の数名で診療所の診察時間は無事終わりを迎えた。


着替えて戸締り確認をしたあと、裏口で先生と合流して中嶋先生のお宅に向かう。


先生の家は診療所から徒歩五分。
歩いてすぐだ。
私の家は、更にそこから十分程先にある平屋の一軒家。
庭もついてて、そこで花と小さな家庭菜園もしていたりする。


先生のお宅にも花や植木の他に、やはり小さくとも家庭菜園がある。
気候が穏やかであるこの島では家庭菜園もしやすいのだ。