海岸通り 〜文治と由以香

「でもさ、今はどうしてまた、由以香にからんでくる訳?」




「 さぁ… 」




「由以香のこと好きだから、からんでくると思うけど…」




「違う違う、それはない、きっぱり

あんなに由以香のこと嫌ってたくせに

中学なっていきなり好きになるなんて、絶対ないもん」





「好きでいじめてたってことはない?」




「まっさかっ! そんな可愛いもんじゃない↓

好かれてるかどうかって、だいたい判るじゃん

でも、文治は由以香のこと完全に毛嫌いしてた↓」





「でも文治、由以香見る時優しい目してるよ↑」




「ゲッ! 文治が優しい目?

文治に優しい目なんてあったかな?↓

文治はずる賢いし、抜目ないし、根性悪だから

そのうち絶対なにかしてくるよ、どかんと一発やらかすつもりなんだよ↓

あいつのやりそうなことぐらい解ってる…」






「 そうかなぁ↓… 」




「うん、関わりたくない…」




「由以香のこと嫌いだったら完全無視するはずだよ?

傍にも近寄らないはずだよ?」