砂糖より甘くコーヒーより苦く

誰なんだろう。

誰一人、知ってる人がいない。

「美緒……」

「……!あなたは、さっきの」

知らないけど、微笑んだ。

その人は、少し安心した顔を見せた。

「お名前、教えていただけませんか?」

「いいよーー
俺は、美緒のことを1番に思ってる、高木晴斗、よろしく!」

「……っ!」

太陽のように眩しく輝くその笑顔は、どこかで見たことがある。

「ちなみに、呼び捨てでいいよ」

「はい」

それに、あなたのその瞳は、あたしが見た、あの瞳。

「狼、なんですか?」

「……!え?」

「あなたの瞳は、あたしを見ると優しくなるのに、違う人を見ると狼のように鋭くなってしまう……人が、苦手なんですか?」

「ああ……昔はな。でも今は、美緒のおかげで、苦手じゃなくなったよ」

「あたしの、おかげ……?」

「ああ」

あたしは思い出せず、申し訳なくて、俯いてしまった。

「ごめんなさい、思い出せ……ーー」

ーーチュッ

「……っ!」

顔を上げると、唇を覆われた。

「美緒、護ってやれなくてごめんな……次はちゃんと、護ってやっから」

「晴斗……」

高木晴斗ーー

思い出せるかな?

《美緒STORY END》