砂糖より甘くコーヒーより苦く

男の人は、どこかに行ってしまった。

2人の人も、仕事に。

でも、女の人は、あたしのところに戻ってきた。

「あの……」

「んー?」

「……」

“あなたは誰?”

この5文字が、傷つけそうで怖くて聞けない。

でもーー

「わたしは、あなたのママよ」

と、教えてくれた。

「マ、マ……?」

「ええ。わたしと一緒にいた男の人は、あなたのパパ」

「パ、パ……」

「美緒、無理しちゃダメよ?でも、さっき来た男の子のことは、自分で思い出してほしいな?」

あの人のことだ。

「はい……」

あたしはそう言った。